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Hyperstition

ハイパースティション

嘘がつかれているうちに本当になる仕組み。

語の形は迷信(superstition)のもじり。CCRUの用語集の定義は次のとおり。

Hyperstition. Element of effective culture that makes itself real, through fictional quantities functioning as time-travelling potentials. Hyperstition operates as a coincidence intensifier, effecting a call to the Old Ones.

ハイパースティション。時間を旅する潜在力として働く虚構の量を通じて、自らを現実にする実効的な文化の要素。偶然の一致を強める装置として作動し、旧支配者たちへの呼びかけを果たす。

Ccru, "Glossary"

CCRUがこの語を使いはじめたのは1990年代後半だけど、文書のなかでは語の起源も虚構の側に置かれている。往復書簡「Origins of the Cthulhu Club」では、マサチューセッツでラヴクラフトの読書会を開くピーター・ヴィスパロフ大尉が1949年に人類学者エキドナ・スティルウェルへ手紙を書き、自らを現実にする記号の生産をこう呼ぶことにしたと伝えている。スティルウェルの返信。

Hyperstition strikes me as a most intriguing coinage. We thought we were making it up, but all the time the Nma were telling us what to write

ハイパースティションとは、まことに興味深い造語だと思います。私たちは自分でこしらえているつもりでしたが、そのあいだずっと、何を書くべきかはンマの人々が私たちに告げていたのです

Echidna Stillwell, "Origins of the Cthulhu Club", Ccru

造語した側が、書かされていただけだと書いている。語の出生証明書は1949年の日付が入った架空の手紙。

CCRUの記者として登場するアイリス・カーヴァーは1998年の「Cybergothic Hyperstition」で、これは自分で現実になってしまうので真とも偽とも判定できないと説明した。

Hyperstitions are not representations, neither disinformation nor mythology.

ハイパースティションは表象ではなく、偽情報でも神話でもない。

Iris Carver, "Cybergothic Hyperstition", Ccru

Landはのちのインタビューで、これを自己成就的予言の実験的なテクノ科学と呼んだ。予言の自己成就そのものは、1948年にロバート・K・マートンが銀行の取り付け騒ぎを例に論じた古い話題。CCRUが足したのは観察する側から引き起こす側へ移るという一点だけ。

関連は〈外部〉とクリプトと非生。

参照

  • Robert K. Merton, "The Self-Fulfilling Prophecy", The Antioch Review 8(2), 1948.
  • Ccru, Ccru: Writings 1997-2003, Time Spiral Press, 2015.